さて今回はトランスフォーマーレガシー第2シーズン「エヴォリューション」から、スラージを紹介します。前回のスラッグと同じ合体ギミックを備えたコアクラスダイノボッツメンバー。今回もスタジオシリーズ版とPOTP版を併せて見ていきますよ。長い記事になりますがお付き合いくださいませ。
TRANSFORMERS LEGACY – HASBRO
ハズブロのトランスフォーマーメインラインである「ジェネレーションズ」の、2022年のサブタイトル。前年まではある程度の一貫性のあるストーリーに沿って商品がリリースされていたが、レガシーでは「様々な世界を横断してキャラクターたちが集結する」という以前のコンセプトに回帰。ただ、例えばTFプライム世界のキャラクターがG1世界のデザインにリメイクされていたりという新たな展開も見られる。
レガシーエヴォリューションTL-28 スラージ (LEGACY EVOLUTION : DINOBOT SLUDGE)(2023)
【パッケージ】G1オートボットの切り札ダイノボットの一員。ホイルジャックによって作られた最初の3体のうちの1人です。荒くれパワーキャラでオツムはあまりよろしくないダイノボットたちですが、その中でも群を抜いておバカであるというなんとも哀れなバイオグラフィーの持ち主。ブロントサウルスという大型恐竜モチーフなので、「大きい=怪力=おバカ」という連想からの設定でしょうかね。
【ロボットモード】レガシーエヴォリューション版ダイノボットたちは、コアクラスという小ささの中でボルカニカスへの合体機構を備えるという複雑なギミック持ちのアイテム。前回紹介のスラッグはそんな条件下でもなんとかマトモなスタイルを保っていましたが、今回のスラージに関しては明らかにしわ寄せが来ております。ぱっと見すぐに気になるのが両足のわきにくっついている恐竜の後脚パーツ。うまく隠すことができずにここにぶら下がってしまっています。さらに動かしてみて驚くのが、ロボ脚が胴体と直接つながっているのではなくて横の恐竜脚パーツを経由してつながっているところ。直立だとあまり気づかない見た目に仕上がっているのはさすがですが、かなり思い切った構造です。
【アップ】頭部造形は小さくてもいい感じ。ほっそ~い目が、よくこの大きさで再現できましたね。
【可動】驚きの脚構造については先述しましたが、ポーズによっては意外と気にならなかったり。むしろ普通のフィギュアではできないほど高くヒザを上げることができたりして、これはこれでいいのかもしれません。ヒジ関節はスラッグと同じく無し。
スラージには付属品は無し。パワーキャラに武器はいらねぇ!
スラージスマーッシュ!!
【ビーストモード】メカブロントサウルスに変形。首の長さなどはさすがにこのくらいが限界でしょうか。後ろ脚がやたら大きかったりして、ビーストのスタイリングにも若干しわ寄せが来てますね。
…ていうかこの格好がどう見てもお尻を上に上げているようにしか見えないんですが…なんか出てきそうなw
ブロントサウルス時の可動はゼロ。かなり潔い作りです。顔造形は愛嬌があって好き。
合体用ジョイントの5ミリ穴があるので、ファイヤーエフェクトを挿してみました。
【変形】変形は単純そのもの。工程の中でオッと思うのは腰ひねりがあるところくらいですかね。
これはふざけているわけではなくて、ボルカニカス合体状態です。スラージは胴体下部を形成します。
前回のスラッグと合体させてみました。あとは手足だけ!第1弾アイテムだけでここまでできるのは珍しいですね。最初から迷わず買ってもらおうという考えでしょうか。なお、各ジョイントは5ミリがつかわれているため、実はウェポナイザーなどの色々なパーツを手足に付けて遊ぶことができますよ。
レガシーエヴォリューションのスラージでした。しわ寄せがどこかに来るのは仕方ありません。ボルカニカス合体に向けて是非とも今から買っておきましょう!
スタジオシリーズ SS-89 スラージ(STUDIO SERIES : DINOBOT SLUDGE)(2022)
【パッケージ】前回のスラッグと同じく、スタジオシリーズの中でもアニメ映画『ザ・ムービー』に取材したいわゆる86シリーズのアイテム。86ダイノボットではグリムロック、スラッグに続き3体目のリリースです。パッケージの省プラが進んだ2022年製品なので、前面は窓が無く、大きなイラストが占めております。
【ロボットモード】86ダイノボットシリーズの特徴は、リーダークラスのコストをサイズに全振りしたその大きさ。近年は大きさよりもパーツ数やギミックにコストをかけたアイテムが多いので、これほど大きいのは逆に新鮮です。
【アップ】なんとも言えないぬぼーっとした顔立ちがチャーミングなスラージ。頭部はもちろんのこと全体的にモールドあっさり目のノッペリデザインです。アニメ再現優先ですね。
【可動】首が上を向けないくらいでそれ以外は上々。巨体を支えるために関節は渋めです。
「フンガー!!」
ヒジがなかなか大胆な構造ですね。
【付属品】ブラスターがひとつ付属。本体も大きいため、武器も思わず笑っちゃう大きさです。
武器はファイヤーエフェクトに対応。大きめのエフェクトでも合います。
「コンナモノ、イラナイ!!」
ダァーン!!
ドォーン!!
【ビーストモード】メカブロントザウルスに変形。流線形のボディが美しい…というかカワイイ。全体的にちょっとコミカルな佇まいがアニメっぽいです。
口が開閉できるほか、首も付け根の角度をつけられます。顔の造形良いですね。
四肢は前後にスイング可能。
さらに首の上部、ゴールドのところで左右に回転させることができ、表情づくりに役立ちます。ほんとスラージめんこいな。
スラッグと同じく口の中には3ミリペグが。エフェクトを付けて遊びましょう。
武器はボディの下に付けておくことができます。
【変形】実は86ダイノボットの中でもかなり複雑な変形をするスラージ。パネルを順序に沿って開いたり逃したり戻したり、まるでマスターピースを触っているような感覚です。各所にジョイントがありますが、パーツの動かし方がわからずに立ち往生してしまうことも。ただ複雑な分、両モードはツライチで綺麗な仕上がりなんですけどね。
変形中に外側のカバーを外すとあらわになるボディ内部には、まるで体内構造のようなモールドのパーツが隠れています。一般商品でこういう表現は非常に珍しいのではないでしょうか。
「オ、オレ、グリムロック…」
「ああわかったよスラージ。」
スタジオシリーズスラージでした。見た目は大味なのに中身は複雑。意外と手応えのあるアイテムです。あとブロントザウルス時がカワイイ。このサイズを置いておけるスペースがあるならおススメですよ。
パワーオブザプライム PP-14 ダイノボットスラージ (POWER OF THE PRIME : DINOBOT SLUDGE)(2018)
【ロボットモード】ラストはPOTP版。コンバイナーウォーズを踏襲した合体機構が最大の特徴で、ダイノボット5体が合体してボルカニカスが完成します。スラージはデラックスクラスでボルカニカスの手足担当。そのためどうしても縦横のサイズに制限が出てしまい、今まで見てきたレガシー版やSS版と比べるとスリムな体形が気になるかもしれません。ただロボットとしてのバランスは別に悪いわけではなく、ひとつひとつのパーツの造形や質感は良いので、こういうアレンジだと思えば全然アリだと思います。
【アップ】アニメ再現のため平べったくてボンヤリしたSS版頭部と比べ、シャープで丸みを帯びたPOTP版。立体物としてはこっちの方が好きかも。若いころのスラージという感じです(スラージは生まれたばっかりなんですがw)。
【可動】シージより前の商品なので最近のアイテムと比べると少し劣りますが、アクションフィギュアとしては十分な可動ポイントを持っています。ただしスラージはパーツ干渉があって、ヒザの曲げがこれで限界。
【付属品】手持ちの武器としてブラスターが付属。スラッグと同じものです。そしてこれもスラッグの時に述べましたが、POTP版はスリムなせいか、SS版より銃が似合います。
コンバイナーウォーズ仕様の合体戦士にはおなじみの手首パーツ。これはひとまずシールドっぽく。
手首パーツのクリアのフタは、はずして銃にしろとなっています。これは無いよりはマシですがちょっと苦しい。
なんだかわかりませんがでっかいビームが出そうな武器として。
ボディアーマーに見立てるのもおなじみ。そして、プライムマスターを取り付けてプライムの力をまとわせよう!という脳内ブンドドも楽しめます。
【ビーストモード】メカブロントサウルスに変形。POTP版ダイノボットはクリアパーツの内部モールドにゴールドやシルバー塗装を施すことで、G1トイの雰囲気を再現しているのが最大の特徴。これは後年のリメイクには無い要素で、高級感が出てとても良いと思います。
口が開閉できるのと、首が中ほどで回せます。とても愛嬌のあったSS版と比べると頭部はやや地味な造形。
武器類は後ろ脚の付け根に5ミリ穴があるのでそこに付けておきましょう。なお四肢は前後にスイングできます。
【変形】コンバイナー系は意図的に単純にしてあるアイテムが多いので、スラージもそれなり。というか実はスラッグとリデコ(パーシャル?)関係なので変形も似ています。
スラージはデフォではボルカニカスの右脚に変形。ちゃんとブロントサウルス頭部がヒザに来ます。なおスクランブル合体対応なので腕にも脚にも変形できます。
POTPスラージでした。スラージに関しては、ロボモードのアレンジとブラキオサウルス状態のかわいさが足りないのが他と比べたマイナスポイントですが、コレクションしやすいサイズと合体ギミック、質感の良さで十分現役のアイテムだと思いますよ。
まとめ&おまけ
今回の3体。大型恐竜のブラキオサウルスになるスラージってダイノボットの中で一番商品化が難しいキャラだと思いますが、こうして毎回ちゃんとリリースされて嬉しい限り。
あんまり差がありすぎて、もはや乗り込む巨大ロボットみたいになってます。
恐竜状態比較。POTP版だけ方向性が違うのがわかります。
スラージ会議。たぶん何も決まらないw
スラージ3種でした。正直第一線とは言えないキャラがこんなに何度も商品化されるのは嬉しいと同時に驚きです。三者三様の特徴がありますので、お好みに合わせて選びましょう。というわけで皆様からの感想やレビューもお待ちしておりまーす。
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