さて今回紹介するのはトランスフォーマーレガシーよりジアクサスです。様々な世界からTFたちが集結するレガシーの物語ですが、このジアクサスが発表されたときは話題をかっさらいました。マーベルG2コミックのオリジナルキャラとしてデビューしたジアクサスは、オリジナル故の絶妙なダサさ(褒めてます)が特徴だったのですが、そこに真っ向勝負を挑んだ「そのまんま」の商品化。まさにアメリカンコンテンツであるTFならではの商品だと思いませんか?
さてそのジアクサスですが、実は2001年と2014年にも他商品のリデコで発売されています。特に2014年のスリリング30版はしばらく「うちのジアクサス」だった方も多いのではないでしょうか。今回は新しい趣向として、そのスリリング30版もついでにレビューしちゃいたいと思います。
TRANSFORMERS LEGACY – HASBRO
ハズブロのトランスフォーマーメインラインである「ジェネレーションズ」の、2022年のサブタイトル。前年まではある程度の一貫性のあるストーリーに沿って商品がリリースされていたが、レガシーでは「様々な世界を横断してキャラクターたちが集結する」という以前のコンセプトに回帰。ただ、例えばTFプライム世界のキャラクターがG1世界のデザインにリメイクされていたりという新たな展開も見られる。
TRANSFORMERS GENERATIONS(THRILLING 30) – HASBRO
トランスフォーマー誕生30周年を迎えるにあたって、メインラインである「ジェネレーションズ」の2013年中盤から2014年にかけての展開を「スリリング30」と題して展開した。旧来の様々なユニバースのキャラクターを新解釈でリリースするというジェネレーションズの基本コンセプトに乗っ取った形ではあるが、多くのキャラクターはIDWコミックのデザインから選ばれた。また初のタイタンクラスとしてメトロプレックスが登場した。
・販売 | 2022年/2014年 |
・英名 | TRANSFORMERS LEGACY JHIAXUS / GENERATIONS JHIAXUS |
レガシー TL-09 ジアクサス
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【パッケージ】サイケなイラストに複雑な断面のレガシーパッケージ。ぽっかり空いた窓から中身が見えるのですが、令和の商品とは思えないくらいのあか抜けないオッサンの姿。こんなの絶対にTFファンしか手に取らないわw。
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【フロント&リア(ロボ)】うわー、中身もあか抜けないオッサンだ。白とレモン色と黄緑。ものすごく淡い色調な上に、なんかパール調の安っぽいプラが使われています。インシグニアがちゃんとG2ディセプティコン(厳密に言うとサイバトロニアン帝国なんですが)なのがグッド。というかマーベルのG2コミックの姿をかなり忠実に立体化しております(キャラクターについて詳しくはこちら(TFWiki))。
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今回のデザインの最大の特徴のひとつがこの脚部。足の隙間(?)からのぞくウネウネしたケーブルの束や、謎の有機的なコウモリ羽がちゃんと再現されていて思わず笑ってしまいます。
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【アップ】丁寧な造形で独特の鬼瓦のようなオッサン顔が立体化されています。こんな顔に全力を注げるスタッフが素晴らしい。
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【可動】ヒーロー着地。ポーズをつけてみると、意外と四肢が細長くてスタイルがいいのがわかります。もともと動きに制約が無さそうなスッキリしたデザインなので可動は問題なし。
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【付属品】その1はこの小さなライフル。小さい上にびっくりするくらいペラッペラなのですが、実はクリアパーツで成形されています。ということはエナジョンウェポン扱いなのかな?
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その2はちょうどいいサイズのライフル。こちらはまあ普通の武器という感じ。ところで前述のエナジョンウェポンと全く同じデザインなのですが、ほんとにエナジョンウェポンって何?
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もちろん二丁拳銃も可。2つの武器が同じデザインなのがわかりますでしょうか。
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【ビークルモード】ここでビークルモードを紹介しておきます。これまたコミックに基づいた変なジェット機に変形。サイバトロン星のSFジェットということになるでしょうか。赤いクチバシとか大きくなったコウモリの羽とか、有機的な意匠が印象的。
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クチバシの下や機体側面に5ミリ穴があり、武器を取り付けることができます。
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変形はほぼ見たまんま。各部を伸ばしたり縮めたり思ったより手順が多いのですが、たいして面白い変形ではありません。コミックのロボからコミックのビークルになるというこだわりを楽しむ商品ですね。
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オートボットとディセプティコンの争いを不毛なものとしたG2ジアクサスは、サイバトロニアン帝国を名乗り惑星を次々と征服してはテラフォーミングを開始。これに対抗するためオプティマスとメガトロンは共闘しますが、最終対決でオプティマスはジアクサスに瀕死の直前まで叩き潰されます(その後ジアクサスはスウォームという影の存在に捕食され半ば自滅)。というわけで単体戦闘力はオプを軽くしのぐ強キャラです。
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ボロボロになったオプティマスの頭部をクラッシュさせトドメを刺そうとするジアクサス。しかしこの後スウォームにやられてしまいます。
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ジアクサスといえばコミック中の椅子に座った姿のコマが有名ですね。そして我が家にある椅子2種類。
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コミックでは、実はジアクサスはリージ・マキシモの配下の1人にすぎなかった…というオチで終了するのですが、物語はそこで打ち切り状態のようですね。
ところで商品化されたリージ・マキシモっていうのがこれしか無いんですが…。
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オプメガの共闘!狂気のジアクサスを止めるんだ!
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ジアクサス大暴れ!ヤツの暴走を止める手立ては果たしてあるのか!?
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コミック表紙再現してみたその1。
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コミック表紙再現してみたその2。
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というわけでレガシージアクサスの紹介でした。G2コミックのオッサンを立体化することに全力を注いだという相当頭のおかしい素晴らしい商品です。正直今までは「なんか知らんけど第3勢力の強いヤツ」くらいの知識だったのですが、レガシー商品化にあたりあらためて調べてみるとアメコミらしいなかなか奥の深いキャラなんですね。掘っても掘っても出てくるTFの底なしぶりを久々に楽しめたアイテムでした。みなさまもそんな楽しみ方いかがでしょうか?
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スリリング30 #018 ジアクサス
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【フロント&リア】さてお次は2014年に発売されたスリリング30版のジアクサス。商品はアルマダスタースクリームのリデコとなるのですが、結構パーツ変更がなされていてジアクサスの立体化としてはそこそこ優遇されたアイテムだと思います。今風のスタイリッシュなデザインとなっていて、レガシー版とはアプローチ方法が全く違うことがわかりますね。また「なぜかオレンジ」というのがネタになるくらい謎になっていまして、僕なんかはずっとジアクサス=オレンジだと思ってたクチです。
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【アップ】頭部はかなり良いジアクサス。ただしマーベルG2コミックとは明らかに違い、IDWコミック版ということになるでしょうか。ちなみにIDWジアクサスはサイバトロン星のマッドサイエンティストで、モンストラクターを作ったりそれまでは性別が無かったTFに改造を施して女性型にしちゃったり(それがアーシー)、やりたい放題。なおショックウェーブは彼の弟子です。
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【可動】ヒーロー着地。さすがに可動面ではこの頃の商品は劣りますね。コストカットが厳しかった時代でもあり、そもそもパーツ数が明らかに少ないです。
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変形の都合でヒザ関節がどこまでも曲がるので、こんな体育座りも余裕です。
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【付属品】左右対称のライフルが2丁付属。リデコ元のアルマダスタスクは剣だったのを変更されています。両手ライフルはジアクサスの印象的な特徴のひとつですね。
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さてこのジアクサスには、もうひとつ特徴的なギミックがあります。背中に倒れていたキャノン砲を起こし、後部のクリアパーツ部分を押し込むと…
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「どちゅーん!!」プラ弾性によるミサイル発射!もともとはアルマダスタースクリームのギミックなんですが。
ところでかつては定番だったミサイル発射ギミックも、今ではほとんど見かけなくなりましたね。このジアクサスのミサイルはかなり凝った部類なのですが、TFミサイル史の中でもかなり終盤の方に入ると思います。
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【ビークルモード】地球寄りのジェット機に変形。アルマダスタースクリームを元に大幅にリデコされております。コストカット期なのでこじんまりとしていますが、大きなミサイルを背負ったスタイルがケレン味たっぷり。
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武器を両翼の下に取り付け可能。
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最近はオミットされがちですが、ランディングギアを引き出すギミックもかつてのTFでは必ずと言っていいほどついていましたね。この型もコストカット厳し目ながらしっかりランディングギアの引き出し・収納ができます。
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変形は簡単ながらもダイナミックに動いて大きくシルエットが変わり、なおかつカッチリしているため結構楽しいです。
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リデコ元のアルマダスタースクリームと。簡便な作りですが造形もスタイルも良い佳作だと思います。そしてジアクサスはかなりのパーツが入れ替えられて思ったより大幅なリデコであることがわかりますね。
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IDWコミックにて、トランスフォーマーに男女の概念を取り入れたいと考えていたジアクサスは、アーシーを女性型TFに改造しましたが失敗作として見捨てました。トラウマを抱えたアーシーはジアクサスを抹殺することに人生をかけるようになります。…とまあこんな話を考えた方もかなりクレイジーですね。
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「一丁上がり!!」ただしジアクサスはいろいろあってデッドユニバースの影響を受けており、何度でも蘇る体になっていたそうな。
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最後に(もう捨ててしまいましたが)パッケージ再現をして、スリリング30版ジアクサスの紹介でした。レガシー版と見比べていただければわかるとおり、そもそもの元ネタが違う別ユニバースのジアクサスということでいいんじゃないでしょうか。コストカットが厳しい時期ではありますが、それ故のシンプルさや遊びやすさがあります。気になる方は是非探してみて下さい。
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まとめとおまけ
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最後に両者を比較してみましょう。ご覧のとおりデラックスクラスとボイジャークラスですがこれだけ大きさが違います。スリリング30期のデラックスクラスは特に小さかったですからね。大きさだけでなく色もデザインの方向性も全く異なっていて、先述したとおり別ユニバースのジアクサスということでいいですね。要するに別腹ということで。
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「我々に逆らうものどもは…全て抹殺だ!!」
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ビークルでも比較。
次は4コマ劇場始まりまーす。
「戦う女」
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THE END
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というわけでレガシー版&スリリング30版ジアクサスの紹介でした。メディア登場はアメコミのみというコアなファンしか手に取らないマイナーキャラですが、こんなキャラにもスポットが当たるのがアメトイの良いところ。さああなたも底なし沼へ一歩を踏み出しましょう!ページ下部のコメント欄でみなさまのレビュー等もお待ちしております。
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