さて今回紹介するのはトランスフォーマーレガシーよりブリッツウィングです。ディセプティコンのトリプルチェンジャーで、初代アニメでは主役回もあった知名度高めのキャラです。なんやかんやで3度目のリメイクになりましたが、レガシー版はアニメスタイルを意識したMP的なアプローチでの商品化。これを待っていたという方も多いのではないでしょうか。
今回はさらに初リメイクだったスリリング30版も紹介します。これがまた独自要素強めで大好きなヤツなんですよ。早速行ってみましょう。
TRANSFORMERS LEGACY – HASBRO
ハズブロのトランスフォーマーメインラインである「ジェネレーションズ」の、2022年のサブタイトル。前年まではある程度の一貫性のあるストーリーに沿って商品がリリースされていたが、レガシーでは「様々な世界を横断してキャラクターたちが集結する」という以前のコンセプトに回帰。ただ、例えばTFプライム世界のキャラクターがG1世界のデザインにリメイクされていたりという新たな展開も見られる。
TRANSFORMERS GENERATIONS(THRILLING 30) – HASBRO
トランスフォーマー誕生30周年を迎えるにあたって、メインラインである「ジェネレーションズ」の2013年中盤から2014年にかけての展開を「スリリング30」と題して展開した。旧来の様々なユニバースのキャラクターを新解釈でリリースするというジェネレーションズの基本コンセプトに乗っ取った形ではあるが、多くのキャラクターはIDWコミックのデザインから選ばれた。また初のタイタンクラスとしてメトロプレックスが登場した。
・販売 | 2022年/2013年 |
・英名 | TRANSFORMERS LEGACY BLITZWING / GENERATIONS BLITZWING |
レガシー TL-10 ブリッツウィング
【パッケージ】サイケなイラストに複雑な断面のレガシーパッケージ。ブリッツウィングはリーダークラスなので、完全ブラインドボックスになっております。
【フロント&リア(ロボ)】これはもう半端じゃないG1ブリッツウィング。アニメーションを意識したどことなくゆるい体形と昭和の箱ロボ感が余すことなく立体化されております。このように素立ちさせていると「あれ?ヴィンテージトイだっけ?」と錯覚してしまうほど。
そして、手に取ってみて感じるのがとにかく重い!中にギッシリパーツがつめこまれているなというのを感じる近年でも珍しい贅沢な作りとなっています。
【アップ】頭部も完全なる四角形で昭和ロボが全力再現されていることがわかります。一周まわってカッコいい。またこの写真からも全体的な密度感というかボリューム感が伝わってくるでしょうか。
ちなみにバイザー上に横一直線のラインができているのがおわかりでしょうか。ほとんどの個体がこのようになっているようで、どうやら製造上のミスではないかとネットで話題になっています。なお現物は写真ほどは気になりません。
【可動】ヒーロー着地もボリューム満点。動かすとこれまた重厚感があっていいですね。首がある程度上向きにできるようになっていて、ポーズの幅が広がります。なお肩パーツは縦方向に回転しないため、腕の動きに制約あり。
【付属品】その1はこちらのブラスター。同じものが2丁付属します。
その2は剣。G1トイの頃から付属している武器で、今回はシルバーに塗装されております。
変形モチーフがミリタリーのキャラに中世的な剣を付けるところが面白いですね。
付属品最後はこちら。物議?をかもしている謎ガントレット。クリアパーツを使用しているので、これがエナジョンウェポン扱いです。全然ガントレットのイメージ無いし、やたらでかいしたいして動かないしでとにかく謎の多い武器。ブリッツウィングはリーダークラスなのにサイズは従来のボイジャーに近いので、コストに余裕ができた結果ではないかなどと言われております。
「あちょ~!!」指先?を外側に倒すことくらいしか可動箇所が無いため、基本的に平手の形しかとれず、どうしても持て余してしまいます。それでもSNS上ではいろんな楽しみ方が提案されていますので探してみて下さい。
一応、指の穴は5ミリなのでエフェクトパーツ盛りなんていかがでしょうか?
ガントレットは手首のところで取り外すことができ、5ミリジョイントになっています。なのでインパクターのような手首が5ミリ穴になっているようなキャラだと自然な感じで取り付けできます(いや、不自然か)。
【ビークルモード】トリプルチェンジャーなので2つのビークルモードがあります。ひとつめはジェット機。一応G1トイと同じくミグ25がモチーフということでいいのかな?ジェット機としては機体が分厚くて下部にタンクパーツがはみ出たりしちゃってますが、そこも含めてG1トイの野暮ったさが再現されていてとってもイイです。またカラーリングは主に紫が表面にくるようになっております。
武器は機体各所の5ミリ穴に接続可能。ついでにランディングギアも見えてますが、前方のひとつだけ出し入れができます。
謎ガントレットは機体後部に取り付けます。アフターバーナーということなんでしょうか。かなり強引で笑っちゃいます。
【ビークルモード】ふたつめのビークルは戦車。G1トイだと日本の74式戦車がモチーフらしいです。全体的にベージュ色がメインとなるようになっております。なお前方にジェット機の機首がはみ出ちゃってるのは間違いではなく、なんとG1アニメにて変形方法が間違ったトイの状態をモデルに設定画が描かれたことに由来するもの。アニメのブリッツウィングは全部変形間違いをしていることになるんですが、それをわざわざ再現するなんて頭おかしいわ(褒め言葉)。
戦車モードでも各所に武器を取り付け可能。…機首がやっぱり邪魔だよなぁ。
エナジョンウェポンは組み替えた上で取り付けます。ミサイルランチャーみたいに見立てられるんですが、なんかこれが一番しっくり来る使い道のような。
【変形】変形は直感的にわかりやすく、それほど難しくありません。各所のヒンジやジョイントがしっかりしていて、力を込めてガチン、ガチンとはめていく感じ。プラの厚みはそれなりにありますが、ちょっと破損が怖いことも。総じて近年のコストカット下のTFでは珍しい触り心地かもしれません。
個人的な見どころはジェット機の翼が折りたたまれて足になるところかな。
トリプルチェンジャー仲間のシージアストロトレインと。ボリューム感はちょうどいいですね。ただやはり並べてみるとシージの細かいディテールに違和感を感じてしまいますね。
アストロトレインもこのサイズでリーダークラスなのですが、武器コンテナなど豪華な付属品が付くことでコスト調整をしておりました。今回のブリッツウィングは極力本体の密度にコストを割り振ったという印象です。
なんとなくアニメイテッドの並び。このメンバーでレギュラーだったんだからやっぱり意欲作だったんだなぁ(クモ姐さんがいないのはただの手抜きです)。
これは…実写映画「バンブルビー」の冒頭バトルをG1キャラで再現してみました。どう見てもチンピラに絡まれている〇学生…。
こんな感じでピンチになって…
レガシーユニバースではこんな感じで形勢逆転します。
というわけでレガシーブリッツウィングの紹介でした。コストをかけられれば今でもここまで作ることができるというのがよくわかる贅沢なアイテムです。手に取った感触が超合金かというくらいしっかりしていて、なおかつG1ライクな箱ロボなため、まるでヴィンテージトイのよう。ブリッツウィングの正統リメイクとしては決定版だと思いますので、迷っているなら間違いなくオススメです。
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スリリング30 #002 ブリッツウィング
【フロント&リア】さてお次は2013年、スリリング30期にボイジャークラスでリリースされたブリッツウィングです。日本では「ジェネレーションズ」ラインで発売されましたが、こちらは海外版。カラーリングが異なります。
ブリッツウィングとしては初リメイクの商品ですが、背中の大きな砲塔、胸のキャノピー、足のクローラーなど基本的なデザインが大きく異なっており、当時の「アレンジ優先」の流れを見て取ることができます。実はアニメイテッドブリッツウィングをかなり意識したデザインなんですよ。
【アップ】頭部は既存のブリッツウィングとは全く異なり、隻眼になっております。ご周知のとおり、これはアニメイテッドブリッツウィングをG1風に落とし込んだ顔。アニメイテッドで言うところの冷徹な「アイシー」ヘッドです。
そして、顔パーツを(縦に!)回転させることによって3種のフェイスを入れ替えることが可能。短気な「ホットヘッド」と狂気の「ランダム」です。こういう派生作品から本家に逆輸入して取り入れるのってホント大好きなんですよ。ブリッツウィングは顔3つなのって、もっと定着しないかなぁ。
【可動】ヒーロー着地。大好きなアイテムでポースもばっちり決まっているように見えますが、実は難点あり。頭部の両脇の肩のところ、紫のパネルで肩を形作っているのですが、この接続が非常に弱くてはずれやすい。肩を回したりすると簡単にポロポロはずれてしまうので、可動の際はかなりストレスになります。スリリング30期はコストが厳しい時期で、コストカットとボイジャーとしてのボリュームの間で苦しかったんだろうなぁというのが想像されます。
【付属品】G1トイやレガシーと同じく、武器はブラスターと剣が付きます。ブラスターはちょっと小さくて寂しいかな?
剣はレガシー版よりもメカっぽいデザインに。ところでコストが厳しいながらも手首回転はあります。
フル装備で。それにしてもスリムでスタイリッシュな体形になっていて、全くアプローチが異なるのが面白いですね。
【ビークルモード】当然こちらもトリプルチェンジャーなのでビークルモードがふたつあります。ひとつめはジェット機。機種はG1と異なりますが非常にまとまりが良く、一見トリプルとは思えません。なお機種部分は軟質でできていて、僕のものは退色が見られます…。
武器を機体側面に取り付けることができます。ちなみに戦車モードの砲塔は、説明書どおりだとご覧のとおり前方に向けるのがデフォルトのようです。ハッタリがきいて無茶苦茶カッコいい。
【ビークルモード】もうひとつは戦車。こちらもなかなかの出来。一見気づかないのですが、大きさを稼ぐために車体に空洞を作るという涙ぐましい努力の跡が見られます。コストとの戦いを創意工夫で乗り切ってきたんですねぇ。
車体の各所に武器の取り付けが可能。またこの写真だとボディが意外とスカスカなのがわかるでしょうか。
ここでミサイルギミックにも触れておきます。ブリッツウィングのミサイルは、砲塔にセットした後、その砲塔を後ろへスライドさせると…
発射!!いかにも戦車の主砲をぶっ放す!という動きが生理的に気持ちいいです。ミサイルにもひと工夫なのが良いですね。
【変形】一部位置が決まらずフワフワするパーツがあるものの、少ないパーツ数やプラの量でどうやってボイジャークラスの大きさを保ちつつトリプルチェンジするか、随所に工夫が見られる変形です。個人的にクローラーとウィングという両ビークルの象徴的なパーツがどちらも脚部に収納されているというのが驚き。
最後に(もう捨ててしまいましたが)パッケージ再現をして、スリリング30版ブリッツウィングの紹介でした。最近のG1徹底再現の流れとは全く違う「新しいキャラクター像を作ろう」という考えが主流だった頃のアイテム。アニメイテッドの要素をG1風に落とし込むというコンセプトには当時驚かされました。僕としてはこういうのはどんどんやってG1ユニバースをアップデートしていってほしいなと思います。可動に一部難はありますが、そんなこんなで大好きな商品です。
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まとめとおまけ
並べてみると、驚くべきことにスリリング30版の方が背が高い。昔の方が根本的に大きいとはいえ、ボイジャークラスとリーダークラスで背の高さが逆転するとは…。でも持った時のズッシリ感はまるっきり違って逆転するのが面白いところ。
ビークルモードでも比較。ビークルでもスリリング30版の方が大きいかも。ところがスリリング30版は中身がスカスカで、いろいろと工夫を凝らして大きく見せているんですよね。
こりゃいいものをいただいたぜ~!!
「俺のこの手が…」大きなクリアパーツなので裏から光を当てると結構ギラギラ。
次は4コマ劇場始まりまーす。
「懲りない男」
THE END
というわけでレガシー版&スリリング30版ブリッツウィングの紹介でした。同じキャラなのにコンセプトの違いでここまで変わるかという面白い2体ですね。どちらも捨てがたい特徴と魅力を持っていて、どっちかを選べと言われたら困ってしまいます。ハズブロめ、人を悩ませやがって…w。というわけでページ下部のコメント欄でみなさまのレビュー等もお待ちしております。
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